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Whisky in the Jar 7" / Thin Lizzy

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1972年11月3日リリース。もはや伝説的とすら言えるロックバンド、THIN LIZZYの2枚目にして、Deccaと契約後初めてシングルである(EPを除いて)。

ちなみにアイルランドのParlophoneからリリースされた1stシングル"The Farmer"は500枚プレスされて283枚売れ、残りはリサイクルにまわされた結果とんでもないレアアイテムになっているらしい。

この2ndシングルはもともとB面用に間に合わせで録音した曲であったが、Decca側の判断でA面としてリリースされアイルランドで1位、イギリスで6位のヒットを記録。バンドにとってひとつの転機となった。

 

Thin Lizzy, Whisky in the jar / Black boys on the corner (7" single) "Thin Lizzy Guide" made by Peter Nielsen

リジィに関してはここのサイトがむっちゃ詳しくて、正直自分で付け加えるような情報はなにもないです。

クリスマス商戦に向けた再プロモーションで、DJ向けにウィスキーのミニチュアボトル付きシングルを配布したりしたらしい。

 

有名なアイルランドの伝承歌で、女に裏切られたハイウェイマン(=盗賊)の悲哀を歌っている。

THE DUBLINERSを筆頭に様々なミュージシャンが演奏しているが、ロックの分野ではやはりこのリジィ版が有名だろう。

1998年にはMETALLICAがカヴァーアルバム"Garage Inc."において、リジィ版に基づいたアレンジで同曲を取り上げている。このアルバムではBLUE ÖYSTER CULTの名曲"Astronomy"も演奏されていて、「なんか最近のメタルバンドで青牡蠣教の教典に手を出した不届き者どもがいるらしい」という不確かな情報が個人的にMETALLICAMEGADETHあたりを聴き漁るきっかけになったりした。そういえば松井秀喜元選手が渡米して最初に使われた曲がBÖCの"Godzilla"だったときもすかさず面倒くさいファン心理を発揮して、「いやーこれでBLUE ÖYSTER CULTもにわかファンが増えちゃうわー困ったわー」とか言ってみてたんだけどさっぱり話題になりませんでした

 

閑話休題

 

伝承歌らしく、この曲の歌詞にはいくつものバリエーションが存在する。

リジィ版はいかにも未練タラタラな感じだが、DUBLINERSの版などではどちらかと言うと「女ってのはほんと手に負えねえなぁ。ま、ウィスキーでも飲むべ」ぐらいのノリになっているように思う。どんなときもうぃすきーだぞ?(よつばと!風に)

こういったアウトローの歌において女は油断ならんってのは一つの定番だけど、そりゃこの語り手のような輩を相手にしていればそうなるだろう。

 

曲の冒頭、山越えの途中で語り手が出くわし金品を奪った相手やその顛末も、版によって変わっている。ピストルに水を詰めるってのはどうやるんだ……

俺の自宅から徒歩2、30分のちょっとした峠にも明治の頃までは盗賊が出たという話だし、山道が物騒なのは洋の東西を問わず共通か。

中里介山の長編小説も、山道以上に人間がたち悪いというような話から入って、特に理由のない刃が老人を襲う!!ってのが冒頭の見せ場だし(書いてみたら思ったほど関係なかったかも)。

 

あと歌詞で気になったのが、"Stand and Deliver"じゃなくて"Stand or Deliver"と言っている部分。

どっちにしろやることは変わらないだろうけど、ニュアンスの違いがわかるようなわからんような微妙な感じ。ゲイリー・ムーアやエリック・ベルもそれぞれリジィ版に準拠してこの曲を演奏しているが、彼らは"Stand and Deliver"と歌っていた。

それにつけても、この曲におけるエリック・ベルのギターは絶品である。

 

 

こちらはB面。わりと面白い展開をする曲である。

1974年のPeel Sessions時にはコーラス部分の歌詞が変更されてるっぽい。

 

 

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丁Decca F 13355。マトリクスは両面"T1-1C"なので、マスタリングエンジニアはトレバー・フレッチャー。

当時のデンマーク盤シングルはスリーブだけ自国製で、盤自体はイギリスでプレスされたものがほとんどだった。 

このシングルも中身は実質的に英盤と同じものである。つまり英オリ、英オリです!(突如興奮)

 

  

2005年にゲイリー・ムーアが中心となって行われたフィル・ライノットのトリビュート・コンサートにおける、ゲイリーとエリック・ベルの共演映像。

エリックはもはや三味線の家元の如きとでも言うようなタツジン的アトモスフィアをまとっている。

ドラムはブライアン・ダウニーで、リジィのオリジナルメンバーが揃ったこの映像を観た時には感無量であった。

ただ、それはどちらかというと「エリック・ベルが元気なうちにこういった催しができてよかった」といった方向のもので、まさかその時点ではゲイリー・ムーアが先に亡くなるとは思いもよらなかったのではあるが。

 

 

Shades of a Blue Orphanage

Shades of a Blue Orphanage

 

CD旧盤では3rdアルバム"Vagabonds of the Western World"のボーナストラックとして2曲とも収録されていたが、2010年のリマスターでは2ndアルバム"Shades of a Blue Orphanage"の方に移された。3rdの旧盤にシングル曲"Little Darling"とそのB面が収録されてないことが長いこと不満だった俺としては、わりと妥当な処理だと思う。

 

 

 

以下は同じ曲ばっかり貼り付けるのもなんだよなーとか考えてたら記事中に貼りそこなった動画。

1973年、西ドイツのTV番組Musikladen(72年に終了したBeat-Clubの後番組)に出演時の映像。曲の中間部分がカットされていて、なおかつちゃんと演奏してる。