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Gryphon / Gryphon

LP #Transatlantic

最近発見したのだが、レコード聴く余裕が無いときはレコード聴いてないからブログ更新できないし、レコード聴く余裕があるときはレコード聴いてるからブログ更新できない。

 

 

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1973年6月リリース。ジャケットにはテクスチャ加工が施されている。

ロンドンの王立音楽大学出身者が中心となって結成された古楽プログレバンド、GRYPHONの1stアルバム。

ちなみに本格的な古楽バンドであるTHE CITY WAITESのメンバーやダリル・ウェイもここの大学出身である。ジャック・ブルースもこれ系の大学出てなかったっけと思ったらスコットランドのほうだった。

 

プロデュースはアダム・スキーピングとローレンス・アストン。

アダム・スキーピングはTHE YOUNG TRADITIONの3rdアルバムにデヴィッド・マンロウ、クリストファー・ホグウッド、ドリー・コリンズらと一緒に参加してた人(というぐらいにしか知らない)。

あと一緒に参加しているCITY WAITESのローデリック・スキーピングとは兄弟かなにかだろうか。

 

 

後に一般的なプログレのイメージに当てはまる音楽にも取り組むGRYPHONであるが、このデビュー・アルバムは「もろ」な古楽とその延長上にある自作曲で固められている。

その演奏はムラなく切れの良い木管アンサンブルをはじめ、見事の一言。

リコーダーやクルムホルンの響きと抑揚の付け方が個人的にツボで、正直このバンドの1st及び2ndはモンテヴェルディあたりと並んで涙腺が刺激される音楽のひとつである。

A5"Pastime with Good Company"は、ヘンリー8世の楽曲のなかでも演奏される機会が多いもの。

元々は合唱曲で、そっち方面ではTHE KING'S SINGERS版などが代表的だろうか。

 

A1"Kemp's Jig"はわりと定番っぽい曲で、デヴィッド・マンロウ、レネー・クレメンチッチやヨーゼフ・ウルザーマー等いろんな人が取り上げている。

リュートでまったり目に弾かれることも多いが、ここでの歯切れのよいリコーダーによる演奏はこれはこれで大変よいものである。

ケンプというのはシェイクスピアと同時代の喜劇俳優ウィリアム・ケンプのことらしい。

 

A3"Three Jolly Butchers"とB6"The Devil and the Farmer's Wife"は「いかにも」な調子のバラッド。

"The Devil and the Farmer's Wife"はチャイルド番号278番"The Farmer's Curst Wife"として知られている。とはいえだいぶGRYPHON流に弄られているっぽいけど。〆はラグタイムっすか。

 

B1"Estampie"は間違いなくハイライトのひとつで、リコーダーの技巧がすさまじいことに。あと中間部でバスーンオズの魔法使いなフレーズを出してくる。

これら管楽器類は、基本的にリチャード・ハーヴェイがリコーダーとソプラノやアルト側のクルムホルン、ブライアン・ガランドがテナーやバス側のクルムホルン及びバスーンを担当。

リチャードはこの他にギター類や鍵盤類も演奏していて、デビュー作からマルチプレイヤーとしての才能を遺憾なく発揮している。

 

 

サウンド・プロダクションの面でも洗練されており、楽器の響きを損なわず、かつスッキリとまとめあげられている。

ただし、クラシック系の「そこで演奏しているかのような」というのを目標とした、全体の響きを重視した録音とは毛色が異なる、どちらかというと楽器一つ一つの音をくっきりと分離させた音作りでもある。

曲中で楽器の定位を動かすような処理なども平然と行われていて、ほかにもマルチトラックの利点を積極的に活用した演出があちこちに施されている。

憶測にすぎないけど、このアルバムはつまり、ポップス的な手法(及びユーモアやサービス精神)でもって古楽バンドのレコードを制作するという試みなんじゃないだろうか。

 

 

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ゲートフォールドジャケットの見開き。ユーモアを交えた楽曲解説付き。

ただ自分は羽根ペンの文字に慣れてないんですごい読みづらくて、あんまり内容がわかってない。どっかのサイトに全文掲載されてたりしませんかね?(←他力本願)

その羽根ペン字だけど、ちゃんと"Quill Pen: Lawrence Marks"とクレジットが載っている。

 

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使用楽器リストの拡大。製作者等の情報もしっかりと掲載されている。

しれっと"Voices"を混ぜるなw

 

 

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Transatlantic、TRA 262。このレーベルは"Red Rim"とか"Globe"とか呼ばれるタイプで、この時期のTransatlanticの標準的なレーベルデザインである。

マトリクス末尾はA面が手書きで"3E"、B面が機械打ちで"2E"となっている。

なんかそれぞれ2ndプレスと1stプレスみたいな但し書きがついて2枚売ってたお店で1stの方を買った記憶があるんだけど、Discogsを見ると両面"1F"の盤があるっぽい。

俺はそこで考えるのをやめたんでそれ以上のことはわかりません(逃避)。

 

 

 

Gryphon

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